爽やかな青空が広がる夏の日、十和田湖畔休屋にやってきました。
十和田八幡平国立公園に位置する十和田湖は、約20万年前に始まった火山活動により形成されたカルデラ湖です。
カルデラ湖とは、噴火によってできた陥没に、長い年月をかけて雨水が貯まってできたものです。
この日は、7月下旬。
十和田湖ブルーと呼ばれる青く澄んだ湖面とそれを取り囲む深緑の山々が、はっと息を飲む絶景を作り出しています。
本格的なサマーシーズンですが、心地よい風が吹き抜け、景色を眺めているだけでも爽やかで開放的な気分にさせてくれます。
さて、今日十和田湖に来た目的は、リブパイオニアのパワーボートクルーズを体験するためです。
美しい景色を眺めながら、さっそく受付に向かいます。
受付に到着しました。
マスコットである大きなクマのぬいぐるみがお出迎えしてくれます。
リブパイオニアは十和田湖畔でパワーボード(スピードが出る高速軍用ボード)クルーズをはじめ、スワンボートや手こぎボートなどウォーターアクティビティを提供しているショップです。
この日、体験するのは所要時間約50分のパワーボートクルーズのロングコース。
4月下旬から11月上旬までの期間中、毎日8時30分から1時間間隔で運行しています。
受付を済ませて、万が一の際のライフジャケットを着用し、いざ乗船!、、、
とその前に、大事な大事な“あれ”を忘れちゃいけません。
「おより紙に願いごとを書く」
なんでボート乗るだけなのに願い事書くの?
そんな声が聞こえてきそうですが、それは後述するとして、各自おより紙に願いごとを記入し、いざ乗船!
このボート、イギリスの特殊部隊で使用する軍用ボートで、
国産の環境にやさしいクリーンエンジンを搭載した不沈構造(船に穴が開いても沈まない)のボートだそうです。
カッコいい、、、
そして速そう、、、
男心をくすぐるデザインのボートです。
今回のツアーで船長兼ガイドを務めてくれるのは、十和田湖のように広く、そして十和田湖の透き通る水のように美しい心を持った(と自分で言っていた)佐藤さん。
十和田湖の成り立ちや、自然のことなど、ジョークを交え楽しく、そして熱く解説してくれます。
もちろん持ち合わせているのはユーモアや情熱だけではありません。
リブパイオニアのガイドは確かな操船技術と救命艇手資格や船舶衛生管理者資格など、お客様が安心・安全にツアーを楽しめるよう万全を期しています。
乗船し、いざ出発!!
まず圧倒されるのは、パワーボートのスピード。
湖上を走るジェットコースター。最高速度は時速80kmにもなるんですって。
全身で受ける風が最高に気持ちいい!爽快です!
あっという間に、十和田湖の中心へ
目の前に「御倉半島」が見えてきました。
ツアーでは、奇岩や、謎の洞窟など、要所要所でボートを停め、佐藤さんの解説を聞きながらボートからでしか見ることができない角度から神秘の湖を楽しみます。
岩を割って根がはっている松の木
遊覧船からはよく見えませんが、ボートだからこそ見える景色があります。
よーく見ると、ある生き物に見えてくる「烏帽子岩」
みなさんには、どんな生き物に見えますか?
(正解はぜひ、パワーボート体験で佐藤さんに聞いてみてください。)
かつて「色ある山」と呼ばれた御倉半島の五色岩。
赤い岩壁で、八郎太郎と南祖坊の戦いの際に流された血で赤くなったと伝えられてきました。
自然のエネルギーを感じる奇岩
中山半島九重浦にある青龍大権現の祠(正福龍神大神を祀る祠ともいう)。
巨岩の連なりと、透き通った湖水、中山半島でもとくに美しい場所です。
岩の上に力強く生きる木を見ると、生命力感じます。
そして、ツアーのメインイベントは「占場」
乗船前に書いたあの「おより紙」を使います。
この占場で、願いを書いたおより紙を湖面に投げ入れます。
願いが叶うときは引き込まれるように沈み、叶わないときは浮いたまま波にさらわれ沖へ流されるといわれています。
(※リブパイオニアでは、水に溶ける環境にやさしい紙を使用しています。)
十和田湖ははるか昔、北東北を代表する山岳霊場として熱い信仰を受けており、
多くの人々がこの「霊山十和田」を目指し、こぞって聖地巡礼の旅に出掛けていました。
そして占場も、十和田神社と並んで参詣の目的地となっており、伝説では南祖坊がここから湖へ入定し、青龍大権現になったと伝えられています。
静寂な神域である「中湖」と、その奥の神が居る「御倉半島」に一番近づける場所が占場であったことから、
米や銭を撒いて占いやお祈りをする「散供打ち」が行われていました。
明治時代に古銭の引き上げを行ったところ、唐銭や宋銭といった平安時代に作られた古いお金も混じっていたことから、
人々は古くからこの「占場」を参詣していたようです。
さて、占いの結果はというと、、、
今回乗船した3名のおより紙は無事に十和田湖の奥深くに吸い込まれていきました。
“どうかこの十和田湖の美しさが世界中の人に届き、そして愛されますように”
楽しい50分間は、あっという間に過ぎ去り、出発地に戻ってきました。
十和田湖の美しい自然に囲まれながらの学びあり・笑いあり・スリルあり・感動ありのツアーは、何とも言えない充実感を与えてくれました。
「また乗りたい。」
そんな風に思えるツアーです。
リブパイオニアのパワーボートクルーズツアー、皆様もぜひ体験してみてください。
towada travel 特集「探検気分で楽しめる!十和田湖畔でパワーボート体験」ご興味を持っていただけましたでしょうか。
ぜひ、いろんな方に足を運んでいただけたら嬉しいです。
取材:小倉 憲和(おぐら のりかず)・池田 陽子(いけだ ようこ)